歴史

絶景!断崖絶壁に立つ『元乃隅神社』/山口県長門市

絶景!断崖絶壁に立つ『元乃隅神社』/山口県長門市

なぜこんな絶壁に鳥居が??
誰もが不思議に思う異様な光景。事の始まりは今から60年以上前にさかのぼります。

昭和30年のこと。地域で漁業を営んでいた岡村斉さんの枕元に一匹の白い狐が現れました。白狐は「これまで漁をしてこられたのは誰のおかげか」と過去からの関わりを詳細に述べたあと、「吾をこの地に鎮祭せよ」とのお告げを残し、立ち去ったというのです。
信心深い岡村さんはこの場所を神域と定め、かの有名な島根県の太鼓稲成神社より分霊を移し祭祀。社は小さく粗末なものでしたが、霊験あらたかで参拝者が絶えず、のち123基もの鳥居が寄贈されました。
その神社がこちら!

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『元乃隅神社(もとのすみじんじゃ)』です。
日本海の大海原に向かって、急な斜面を駆け降りるように並ぶ鳥居(2020年夏に鳥居の改修工事が完了)。
これだけでも異様ですが、さらにその先にもう1つ神域があります。日本海の荒波が岸壁にあいた穴に流れ込み、高さ30mにまで吹きあげるという『龍宮の潮吹』です。

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地域で古くから大切にされてきた聖地、今で言うパワースポット。
この『龍宮の潮吹』からの潮が吹きつける場所に立つのが一の鳥居です。

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ここから123の鳥居をくぐって参拝します。
参道出口には最後の大鳥居。くぐって帰途につくその前に!…頭上をご覧ください。

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約5m上空、大鳥居の上部に箱のようなものが備え付けられています。あれ、賽銭箱です。
実はここ『元乃隅神社』は“日本で1番お賽銭を入れにくい神社”とも言われているんです。それを聞いて、チャレンジしないわけにはいきません。

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お賽銭といえば、何といっても5円玉です。狙いを定め、握りしめたコインを賽銭箱に勢いよく投げ上げます。
投げる、拾う、投げる、拾う…10回は繰り返したでしょうか。まったく入る気がしません。まず、賽銭箱が小さい!何より海から吹きつける強風にあおられ、軽い5円玉では狙いが逸れてしまうのです。

朝一番、周囲には誰もいません。銀色の重いコインにチェンジです。
入ったのはそれから6投目…お賽銭を入れてガッツポーズをしたのは初めてです(笑)。

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瀬戸内Finderフォトライター 藤本雅史

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本州と九州を繋ぐ要の場所、山口県。城下町として栄えた地域も多く、日本の近代化にあたっては数多くの歴史や偉人がこの場所から生まれました。春は桜、夏は花火と季節毎に違った表情を魅せる錦帯橋、風情ある町並み、美しい庭園に寺社仏閣。またTVコマーシャルのロケ地としても有名になった角島大橋や、雄大なカルスト台、鍾乳洞はまさに絶景。ぜひカメラを片手に旅をしてみてください。