グルメ・おみやげ
800年の歴史を持つ温泉地、川棚温泉で愛され続ける日本一ユニークな麺『瓦そば』/瓦そば本店 お多福(山口県下関市)
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- 地域
- 山口県
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- 関連タグ
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- フォトライター
- by 瀬戸内Finder 編集部
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- 最終更新日
- 2021年09月21日
今回、山口グルメと聞いて一番に思い出したのは『瓦そば』。子どもの頃、川棚温泉に行って初めて『瓦そば』を食べたときの衝撃は今でも忘れられません。
瓦でそばを焼くというユニークな発想はどうやって生まれたのか、さっそくそのルーツを探ってみることにしました。
訪れたのは、川棚グランドホテル敷地内にあるレストラン『瓦そば本店 お多福』。
民芸調の落ち着いた店内で川棚温泉名物の『瓦そば』をいただけるレストランです。
かつては神社仏閣や武家屋敷など限られた階級の建物にしか許されなかった瓦が、江戸時代の川棚温泉では特別に民家の屋根でも使えるようになりました。
次第に民衆が瓦の上でいろいろな食べ物を焼いて食べるようになり、いつしか『瓦そば』が生まれたといわれています。
ちなみに『瓦そば』を焼く瓦は本物の屋根瓦。そばをのせる前に瓦を約210度のバーナーで炙るのですが、これが天日に10年以上当たった本物の瓦でないとすぐ割れてしまうのだとか。『瓦そば本店 お多福』では、古民家から譲り受けるなどした素焼きの瓦を常に何千枚と備蓄しているそうです。
ではいよいよ実食です!
向かって左が1人前、右が2人前です。こうして見ると1人前が少なく見えますが、これがかなりのボリューム。よほどの大食漢でない限り、成人男性でも1人前で十分だと思われます。
つゆは、ソーダ鰹の厚削りをベースに鯖・鰯・昆布・干し椎茸などを特製醤油とみりんでじっくり煮詰めて作る自家製。つゆにありがちな甘ったるさがなく、魚介の風味がよく感じられる大人の味です。お好みで、そばの上にのっているレモンや薬味を入れていただきます。
ちなみにこの『瓦そば』は『そば』といっても、麺の原料はそば粉ではなく小麦粉。
しかも小麦の中心部分である貴重な一等粉のみ使用しているので、アツアツの瓦に接している部分はカリッと香ばしく、上の方はしっとりもっちりとした食感が楽しめます。
今回取材を快くお受けくださった川棚グランドホテルの岡本さんは、『川棚温泉まちづくり株式会社』の運営にもたずさわり、フランスの世界的ピアニスト、コルトーや俳人の山頭火らがこよなく愛したという川棚の魅力を全国発信するべく尽力されています。
中国地方は“山陰” “山陽”と地域をわけて表現しますが、なだらかな山を背に海を臨むこの川棚一帯はまさにその“陰”と“陽”両方の気を合わせ持つような場所。
実際訪れてみて、偉人達がこぞってこの地に惹かれたという理由がわかる気がしました。
関連地域
山口県
本州と九州を繋ぐ要の場所、山口県。城下町として栄えた地域も多く、日本の近代化にあたっては数多くの歴史や偉人がこの場所から生まれました。春は桜、夏は花火と季節毎に違った表情を魅せる錦帯橋、風情ある町並み、美しい庭園に寺社仏閣。またTVコマーシャルのロケ地としても有名になった角島大橋や、雄大なカルスト台、鍾乳洞はまさに絶景。ぜひカメラを片手に旅をしてみてください。