海・自然
定番から穴場まで。瀬戸内西部を巡る船旅/宮島・柳井・周防大島・三津・道後(広島県・山口県・愛媛県)

モデルルートはこちら。
- 広島港→宮島(瀬戸内シーライン)所要時間:約30分
- 宮島→宮島口(宮島松大汽船)所要時間:約10分
- JR宮島口駅→JR柳井駅 (山陽本線)所要時間:約1時間
- JR柳井駅→JR大畠駅(山陽本線)所要時間:約8分
- JR大畠駅→周防大島(レンタカー)
- 伊保田港→三津浜港(防予フェリー)所要時間:約1時間10分
- 松山観光港→広島港(瀬戸内海汽船スーパージェット)所要時間:約1時間10分
広島港から宮島へ
広島観光に来たのなら、外せないのがやっぱり宮島。広島港から瀬戸内シーラインに乗り、グランドプリンスホテル広島経由で宮島へ入ります。
創建1,400年以上、世界文化遺産『嚴島神社』
まずは世界文化遺産の『嚴島神社』へお参りしましょう。過去何度も災害にみまわれながらも修繕を繰り返し、現在も平安時代と変わらず海の上に建つ大規模な寝殿造りの社殿を見ることができます。
コの字型の東廻廊を進んだ先に、大鳥居が見える絶景が広がっています。現在は約70年ぶりの大規模修復中のため、足場や保護シートによりその姿は見えませんが、2022年中には終了する見込みだそう。満潮時には床のすぐ下まで海水が上がってきます。
御本社の向かいにあるのが日本三大舞台のひとつである『高舞台』。平清盛が大阪から伝えたとされる舞楽がこちらで演じられます。
干潮時には、ぜひ近くで大鳥居を眺めてみてください。なんとこの大鳥居、地中に埋められているわけではなく、地上に置かれているだけ。自らの重みのみでバランスをとって立っているとは驚きですよね。
静かな時間が流れる隠れ家カフェ『天心閣』
歩き疲れたら、ちょっと休憩。
嚴島神社そばの細道に入り、石段を上がった先に隠れ家カフェ『天心閣』があります。
その昔、貴族の別荘として使われていたという風格のある佇まい。
眼下に瀬戸内海と嚴島神社、目の前には五重塔と千畳閣が見渡せる贅沢なロケーションです。
こちらでは、豆の個性を生かした自家焙煎のスペシャルティコーヒーや季節のフルーツソーダを味わうことができます。
オリジナルスイーツとのケーキセットも。濃厚なチーズケーキとコーヒーの酸味に、心解きほぐされるひとときです。
宮島を堪能したら、次は山口県へ。
宮島の対岸、宮島口へ宮島松大汽船で約10分。JR宮島口駅から山陽本線で西へ向かいます。
一時間ほどで到着したのは、JR柳井駅です。
金魚ちょうちんが揺れる『白壁の町並み』
柳井駅から歩いて5分ほどでたどり着いたのは、『白壁の町並み』。
愛嬌のある表情の金魚ちょうちんが似合う、国の重要伝統的建造物群保存地区です。
この地で古くから親しまれてきた木綿織物が柳井縞(やないじま)。
『やない西蔵(にしぐら)』では、この柳井縞の機織り体験ができるんです。
カタン トントン カタン トントン……
心地よいリズムにいつまでも織っていたくなります。
出来上がったのはコースター。
縦糸と横糸を何色にするかで全く違った表情になりますよ。
白壁の町並みでそぞろ歩きを楽しんだら、周防大島へ向かいましょう!
JR柳井駅から再び山陽本線に乗り、周防大島の最寄駅、JR大畠駅へ。
『瀬戸内のハワイ』と呼ばれる山口県周防大島
周防大島は瀬戸内で三番目に大きな島。
バスは走っていますが便数が少ないため、レンタカーで回るのがおすすめです。
島内の橘レンタカーに事前予約しておけば、大畠駅でレンタカーをピックアップすることが可能。
さらに周防大島からフェリーで次の目的地、愛媛県に向かう場合も、フェリー乗り場である伊保田港でレンタカーを乗り捨てできます。
本土と全長1,020メートルの大島大橋で繋がる周防大島。橋を渡って左折したら、まずは絶景スポットへ行きましょう!
大畠瀬戸を一望!『飯の山展望台』
周防大島の入り口にそびえる飯の山(いいのやま)。
標高263.3mの山頂には5階建ての展望台があります。
展望台の屋上からは、大畠瀬戸と大島大橋を一望できます。
ちょうど橋の下を愛媛と周防大島、柳井を繋ぐ防予フェリーが通るのが見えました。
快晴の日には、東の方向に宮島を望むこともできますよ。
『グリルANCHOR』でハワイアンランチ
ランチにはリゾート感たっぷりなカフェ、『グリルANCHOR(アンカー)』はいかがでしょう。
ビンテージハワイをテーマとしており、テラス席はもちろん、店内からも海を眺めながら食事ができます。
こちらで食べたいのが、ボリュームたっぷりな『ステーキモコ』と二層の見た目も可愛い『ベリーマンゴー』のスムージー。
柔らかいハラミ肉のステーキは適度な噛みごたえがあり、口の中で肉の旨味があふれます。トロピカルなスムージーとも相性抜群ですよ。
『KAI house』で暮らすように旅する
実はこちらの建物、二階が宿泊スペースになっているんです。
長期滞在にも便利なコンドミニアムタイプのお宿、『KAI house(カイハウス)』。
広々としていて最大8名まで宿泊可能です。
キッチンには調理器具や基本的な調味料が完備されているので、島の新鮮な食材で自炊するのも楽しそう!
1階のテラス席ではバーベキューすることもできますよ。要予約で食材も用意してもらえます。
目の前にはプライベートビーチ。SUPの無料レンタルもあるので思う存分海遊びできます!
写真映え抜群!『星のビーチ』
周防大島の和佐(わさ)地区、『星のビーチ』。
海に向かって伸びる突堤と、その先の黄色い星のモニュメントが青い海に映えるビーチです。思わず走り出したくなるような光景!
毎朝お店で作りたて。『iiiro gelato』
2022年夏、『星のビーチ』のすぐそばにジェラート屋さんがオープンしました。
白い壁に『iiiro』の文字が目印。『iiiro gelato(いいいろジェラート)』です。
店主の植田めぐみさん。京都からUターン後、生まれ故郷の和佐でジェラート屋さんを始めました。
現在6種類あるジェラートは毎朝開店前に作っています。
ミルクや抹茶の定番フレーバーに、クッキークリームやチョコバナナも! 新たなフレーバーも試作中とのこと。
「大島の食材など、今後はもっと種類を増やしていきたい」と植田さんは話します。ジェラートのベースとなるミルクは、山口県産100%のきらら牛乳が使われています。
トロピカル感満載の爽やかなマンゴーに合わせたのは、チョコバナナ。濃厚なバナナの風味に、パリッとするチョコの歯ごたえが楽しいです。
星のビーチの散策のお供にぴったりですよ。
周防大島を満喫したら、いよいよ愛媛へ出発!
伊保田港から防予フェリーで約1時間10分。愛媛県松山市の三津浜へ渡ります。
レトロな雰囲気漂う港町、三津浜
愛媛県松山市・三津浜はかつて松山の海の玄関口として栄えた港町です。
時代の変遷とともに人の流れも変わり、一時は駅前の商店街もシャッターを下ろす店が多かったですが、近年新たなお店が増えているとのこと。
江戸時代から昭和初期にかけて建てられた古民家や町家の並ぶ通りを散策するだけでも面白い出会いがありそう!
松山市道高浜2号線『三津の渡し』
そんな三津浜でぜひ体験してもらいたいのが『三津の渡し』。三津と港山の間約80mを結ぶ年中無休の渡船です。
年間約4万人が利用するという、れっきとした地域住民の大事な『足』です。観光客も乗船可能なのでご心配なく!
わずか2分で対岸に到着。対岸の港山には三津の渡しが始まるきっかけとなった港山城の城跡があります。
緩やかな坂道を登って山頂まで行けるので、お散歩がてら足を運んでみてください。
小富士と呼ばれる美しい山がそびえる興居島や一文字灯台など、瀬戸内の景色が眼前に広がりますよ。
お次は電車と路面電車を乗り継いで、道後温泉へ。三津駅から40分ほどで到着です。
日本最古の温泉、道後温泉へ(道後温泉駅)
レトロな風情漂う駅舎が自慢の道後温泉駅。
実はこちらの駅舎、丸ごとスターバックスなんです。
店内は外観に劣らず優雅でクラシックな空間が広がっています。
まずはここで一杯、コーヒーを飲みながらこれからのプランを考えるのもいいかもしれません。
『道後温泉別館 飛鳥乃湯泉』でひと休み
日本最古の温泉と言われる道後温泉。
3つある湯屋のうち、一番新しいのが『道後温泉別館 飛鳥乃湯泉(あすかのゆ)』です。
飛鳥時代の建築様式を取り入れた湯屋では、加温も加水もしない源泉100%かけ流しのお湯を楽しめます。
泉質は、無色透明のアルカリ性単純泉。湯治や美容に効果があるのだそう!
砥部焼で作られた浴室の陶板壁画は見事。
雄大な大自然の風景に心も癒やされますよ。
2階にはお茶とお茶菓子をいただきながら休憩ができる大広間があります。
テーマによって異なる趣の個性的な個室や特別浴室もあるので、家族連れにもおすすめですよ。
松山観光港から広島港へ
いよいよ旅も終わり。松山観光港から高速船スーパージェットに乗って、広島へ戻ります。
道後温泉駅前から港行きのリムジンバス(約40分)があるので移動も便利です。
スーパージェットに乗ったら、約1時間10分で広島港へ到着。最後に船上からの瀬戸内海の景色を目に焼き付けてくださいね。
船で巡る広島、山口、愛媛の旅、いかがでしたか。
船旅には陸路とはひと味違う、ゆったりとした旅の愉しみがあります。きっと心の底からリラックスできる時間が見つかりますよ。
瀬戸内Finderフォトライター 武井 奈々
関連地域
広島県
「嚴島神社(宮島)」と「原爆ドーム」という2つの世界遺産を有し、国内外から多くの旅行者が訪れる広島県。広島風お好み焼き、牡蠣、レモンといった定番グルメから、化粧筆の代名詞ともなった熊野の筆づくり、かつての軍港の姿を残す呉の街並み。根強いファンが多い地元球団やサッカーチームの観戦も見逃せません。また近年では、サイクリストの聖地「しまなみ海道」や、連なる島々を飛び石に見立て名付けられた「安芸灘とびしま海道」など多島美景観を実際に体験・体感できる観光も人気です。
