歴史
お試しプチ遍路!見所満載の七ヶ所まいり/香川県善通寺市・三豊市・多度津町
「なかなかできない」
おっしゃる通り、ある程度の時間、体力、そして信念がないと踏み切れないのがこの巡礼です。今回はそんな八十八ヶ所巡礼のプチ遍路、通称「七ヶ所まいり」というものをご紹介します。
江戸時代にこの七ヶ所まいりは誕生。「1日で巡ることができる巡拝路」として親しまれてきました。そして現在、七ヶ所まいりはお遍路を知らない人や、やってみたいけど踏み出せない人への、きっかけ作りとして大活躍しています。
今回はこの七ヶ所まいりを紹介したいと思います。
煩悩を打ち消す太もも壊しの階段を体験!
まず三豊市にある、第71番札所の『弥谷寺』。
急勾配の百八階段です。いきなり太ももを攻めてくる七ヶ所まいり。
弥谷寺で是非見ていただきたいのは、岩壁に佇む洞地蔵。座って見上げて見つけてみてください。
※麓から有料の車道がありますが、車で行けるのは百八階段の手前まで。ファイトです。
あなたは見つけられるか2匹の木彫り亀
弥谷寺から車で約10分。善通寺市に入り、第72番札所の『曼荼羅寺』へ到着です。
曼荼羅寺のオススメは春。桜がとても美しいお寺です。お堂が隠れるほど咲き誇り、花びらが散る頃は桜の絨毯が。
長生きにご利益があるといわれている木彫りの亀も2匹いるので是非探してみてください。ヒントはございません。
奥の院は空海が7歳の時に身を投げた伝説の場所!
長い緩やかな坂を上がると、第73番札所の『出釈迦寺』が見えてきます。
40分ほど山を登った先にある奥の院捨身ヶ嶽禅定には「天空の鐘」があります。
そこは弘法大師空海が幼少期に身を投じた伝説の場所。
麓の本堂にも「幸福の鐘」があり、二つ鳴らしてご利益をGETしましょう。
かわいい花手水と16羽のうさぎさん
膝がプルプルしてくる頃ですが、次に訪れるのは、第74番札所の『甲山寺』。
「うさぎ寺」とも呼ばれ、お守りや御朱印帳にもうさぎさんがデザインされ、境内には16羽ものうさぎさんが存在します(本物ではございません)。全部見つけるといいことがあるかもしれません。
4月、11月、1月に開催される花手水は、その華やかさとかわいさでSNSを賑わせています。
地元のヒーロー空海が生まれた地で修行体験
続いては弘法大師空海生誕の地である75番札所の『 総本山善通寺』。
ここで体験していただきたいのは戒壇巡りです。
皆さん、寝る時は豆電球派ですか? 真っ暗派ですか? そしてそれは本当に真っ暗ですか?
戒壇巡りは、御影堂という建物の漆黒の地下通路(100m)を、壁に沿って歩く一種の修行です。一縷の光も差さない空間を、是非体験してみてください。
香川県で安産祈願ならここ!七五三も大人気
次に着いたのは第76番札所の『金倉寺』。特に安産祈願で多くの方が訪れるお寺です。
子供や女性の守り神である、おかるてんさんの昔話がとても興味深く、聞き入ったのを覚えています。下記のURLからどうぞ。
https://www.kagawa-konzouji.or.jp/okaruten/
本当の私デビューを目指していざ眼なおし
多度津町に入り、七ヶ所目は第77番札所である『道隆寺』。
今この画面を見ている方の中で、眼鏡やコンタクトレンズをしている方はいますか? そんな方は是非ここへ。「眼なおし薬師さま」がいらっしゃいます。
なぜ眼なおしなのか、そのお話も興味深いので現地の説明文を読んでいただきたいと思います。そのお参りの仕方にもビックリ。目を疑うでしょう。
目が良くなったところで、コンプリートとなります。
車なら半日で十分回ることができ、歩いたら丸一日歩き通して到達するコースです。高低差があまり激しくはないので、自転車も楽しいかもしれません。
七ヶ所まいり限定の御朱印帳もあります。
花びらの形でかわいいデザインなので是非GETしてみてください。
「八十八ヶ所巡礼もやってみようかな」
そう思っていただけたら、お遍路の世界遺産認定へも一歩近づくかもしれません。
認定された後やインバウンドが復活したら、多くの人が訪れます。今のうちに行ってしまいましょう。
関連地域
香川県
瀬戸大橋を介して本州と四国を繋ぐ四国の玄関口、香川県。県民のソウルフードとして親しまれている「讃岐うどん」は、県外からも多くの観光客を集めています。歴史的な観光資源と個性豊かな島々に恵まれてているのも特徴。ミシュラン・グリーンガイド・ジャポンで三ツ星を獲得した「栗林公園」、長い石段で有名な「金刀比羅宮」に加え、どこか地中海を思わせる美しい小豆島の他、せとうちの風景と現代アートを融合させた取り組みも人気を博しています。