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一度は泊まりたい!徳島の個性あふれる宿泊施設5選/徳島県勝浦郡勝浦町・勝浦郡上勝町・美馬市・三好市

一度は泊まりたい!徳島の個性あふれる宿泊施設5選/徳島県勝浦郡勝浦町・勝浦郡上勝町・美馬市・三好市

旅を面白くする要素の一つは「どこに泊まるか?」を選び抜くこと。豪華なホテルや立派な旅館もその一つですが、その地域にしかないユニークな宿泊施設に泊まると、さらに旅は面白くなります。今回は徳島県が誇る“ここに泊まれば間違いない”宿泊施設を5つピックアップしました。

みかん農家が営む予約制古書店を併設したお宿

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最初にご紹介するのは、県内有数のみかんの産地である勝浦町にある『みかん農家の宿 あおとくる&古書ブン』です。山の中腹に建てられた大きな古民家は築100年以上の立派なもの。地元の貯蔵みかん農家の後継者として移住した石川 翔さん・美緒さん夫妻が、可愛い猫たちと暮らしながら宿を営んでいます。

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こちらはゲストルームとして開放されている1階の広間。「友達の家に遊びに来た感覚になってもらえれば」という石川さん夫妻の思いのもと、一日に一組だけを受け入れるアットホームなゲストハウスです。バス・トイレなどの水回りは最新式のものに改装されているほか、無料wi-fiも完備されています。

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2018年には1階の一角を改装して、写真の可愛らしい“ブン”が店長を務める『古書ブン』をオープン。徳島では初めての予約制の古書店です。いずれも本が好きな石川夫妻が選び抜いた良書ばかり。生き方・地域・小説のセレクトは主に翔さん、猫・食・旅の本は主に美緒さんが担当しているとのことです。それぞれのジャンルから、ゆっくりとお気に入りの一冊を探してみてください。

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残念ながらゲストハウスは、新型コロナウイルスの感染状況を鑑みて無期限で休業中(2022年2月現在)ですが、こちらの『古書ブン』は営業中です。ただし、みかん収穫の繁忙期にあたる毎年11月から3月までは休業中。お問い合わせや予約の申し込みは4月以降にお願いします。

山奥にあるサステナブルな体験型宿泊施設

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続いては徳島市から車で約1時間。2003年に日本の自治体として初めて『ゼロ・ウェイスト宣言』をしたことでも知られる上勝町の『上勝町ゼロ・ウェイストセンター WHY』をご紹介しましょう。上空から眺めると「?」の形が印象的な公共施設です。

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廃棄物分別回収施設、町民のコミュニティー施設やオフィススペース、そして、体験型宿泊施設が一つになった『上勝町ゼロ・ウェイストセンター WHY』は2020年にグランドオープン。体験型宿泊施設の『HOTEL WHY』では、チェックイン時に“STUDY WHY”と題した施設案内ツアーを開催。上勝町の人々が日頃から行っているゼロ・ウェイストの取り組みを学ぶことができるようになっています。

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最大4人まで宿泊可能なメゾネットタイプの客室は、町内の家屋を取り壊したときに出た建具などを利活用。家具も不用品になったものをリユースしており、上勝町の理念を強く感じさせます。宿泊時に使用する石鹸やコーヒー豆は量り売り、容器などは貸し出し制となっており、できるだけゴミを出さないような工夫が施されていることがわかります。

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併設されている施設の一つが『くるくるショップ』。一升瓶ケースを再利用した受付台や陶器の破片を敷き詰めた床なども個性的ですが、こちらは上勝町の人々が不要になったモノを持ち込み、訪問者であれば誰でも持ち帰ることができる無料のリユースショップとなっています。モノのやりとりは重量で管理されており、年間で約9トンのモノが上勝町から新たな持ち主の元へ旅立っていったそう。こんな形で旅のお土産を選ぶのも面白そうですね。

印刷工場を改装したドミトリーのある複合施設

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次に登場するのは、美馬市の広告代理店ナカガワ・アドが運営するホステル&ゲストハウス『PLAY & WORKS AD LIV(アドリブ)』です。こちらは全国的にも珍しい印刷工場をリノベーションした複合施設。同社のオフィスも同じ建物の中に入っています。

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もとが印刷工場だけあって、とても大きく、天井が高い空間を持つ『PLAY & WORKS AD LIV』。カフェ・ドミトリー・コワーキングスペースといった異なる要素を併せ持っており、十分に新型コロナウイルスの感染拡大防止対策をしながら、さまざまなイベントが定期的に実施されています。

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宿泊スペースは男女混合のドミトリー。枕元にベッドライトとコンセントが備え付けられたベッドはカーテンで仕切ることができるほか、冷蔵庫や電子レンジ、洗濯機、シャワーやトイレなどを完備。決して広いとは言えませんが、美馬市周辺の観光拠点として、ゆっくり身体を休めることができます。

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2020年からは「地域と地域・人と人が交わる関係案内拠点、持続可能なコミュニティー大學」をテーマに『アドリブ大學』を開講。多彩なジャンルの講師を迎えた学びの場としても機能するようになりつつあります。そして2021年には「食×手作り×体験」をテーマに『AD LIV SHARE MARKET』を開催。地元の人気店を中心にさまざまな作り手が集い、サスティナブルなアドベンチャーチャレンジとして好評を博しました。訪れるタイミングが合えば、それらのイベントにも参加できるかもしれませんね。

築120年以上!呉服商の商家をリノベーション

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続いては、特にグループや家族連れにおすすめしたい“にし阿波”周遊の拠点にぴったりの『4S STAY(フォースステイ)阿波池田本町通り』。かつては呉服商だった勝端家の家屋という築120年以上の町屋をリノベーションした風情ある古民家宿です。

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『4S STAY 阿波池田本町通り』の特長は、2階建ての建物の中心に路地を通し、その左右をメゾメットタイプの『庭』と『町』という2室に分けていること。それぞれの客室が小さな路地によって隔てられているため、しっかりプライベートを保つことができるのが嬉しいですね。

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内部の設備は改装してあり、快適に過ごすことができます。それぞれの客室ごとにあるバスルームは信楽焼の丸型浴槽を採用した贅沢なもの。普通のホテルや旅館でもなかなか見ることのできない陶器の浴槽は、遠赤外線効果で身体の芯まで温まるとか。ちなみに、こちらの『町』の浴室は小さな坪庭を見ながら入浴できるレイアウトになっています。

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ちょうど四国のほぼ中心に位置していることから“四国のへそ”とも呼ばれる阿波池田は、どこへ行くにも便利な立地でもあります。特に観光遊覧船で大歩危峡を巡る『大歩危峡まんなか』や妖怪屋敷や石の博物館がある『道の駅 大歩危』へは車で約30分、『祖谷のかずら橋』などで知られる“日本三大秘境”の一つ、祖谷渓までは車で約1時間。ここを拠点として、ぜひいろいろ巡ってみてほしいと思います。

廃校の教室に宿泊できるデザインホステル

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最後は2005年に休校した山間部の小学校を改装したホステルをご紹介します。『ハレとケ デザインホステル』は、東京から移住してきたグラフィックデザイナーの植本修子さんが、佇まいに惚れ込み、三好市の休廃校活用事業に応募。自身のグラフィックデザイン事務所、カフェ、デザインホステルとして蘇らせた人気の複合施設です。

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かつては鳥小屋などがあった校舎の裏にある空間には大きなウッドデッキが設置されています。天気が良ければ、ここでお茶を楽しんだりすることもできます。1階のランチルームだった教室はカフェに、図書室だった教室はキッズルームへと改装されており、親子で訪れても楽しく過ごせるでしょう。

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『ハレとケ デザインホステル』の客室は2階の教室をリノベーションしたもの。木工教室の隣の「203」と「204」という二つの教室が宿泊可能となっています。写真の「203」は半個室タイプの家型ベッドが6台設置された『ベッドのドミトリー』。貸し切りもできるので、グループの旅にもぴったりです。

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ランチルームだった1階の「101」では『ハレとケ珈琲』が営業中。本格的な手網焙煎のコーヒーや手ごね生地のピッツァ、カヌレなどの焼き菓子をいただくことができます。また、2018年には三好市池田町西山の下野呂内小学校を利活用した複合施設『シモノロ・パーマネント』をオープン。「谷のサウナ」があるほか「TAKIBIBA 焚き火場」が設けてあるなど『ハレとケ デザインホステル』とは異なる魅力があります。2021年からは宿泊もできるようになっているので、二泊目はこちらを選んでみても良さそうです。なかなかできない廃校に泊まる体験はできません。徳島で実現してみてはいかがでしょうか。

瀬戸内Finderフォトライター 重藤貴志

関連地域

徳島県

四国八十八ヶ所のスタート地点となる徳島県。東西を山に囲まれ、扇状に広がる徳島平野、その先に広がる瀬戸内海。海の幸、山の幸に恵まれ、新鮮な食材を楽しむことができます。また目を楽しませてくれるのは本場の「阿波踊り」。見て楽しむだけでなく、観光客も参加して楽しむことができるのも魅力の一つです。瀬戸内海が魅せる鳴門の渦潮や、秘境祖谷のかずら橋、大歩危峡の川下りなど、徳島の自然も満喫してください。