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城崎温泉旅プラン:但馬牛のオーベルジュ宿泊+コウノトリと絶景のサイクリングツアー/小宿 縁(兵庫県豊岡市)

城崎温泉旅プラン:但馬牛のオーベルジュ宿泊+コウノトリと絶景のサイクリングツアー/小宿 縁(兵庫県豊岡市)

毎年11月6日に漁の解禁日を迎えると、兵庫県の日本海側に位置する城崎(きのさき)温泉は『松葉カニ』一色に染まります。
温泉街にほど近い津居山港で水揚げされる青いタグ付きのカニを、城崎温泉旅行の冬の目玉と考える人は多いはず。

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ただ、今回の旅のメイン食材はカニではなく、そのカニと肩を並べる極上食材。牛肉です! 旅の拠点となる『小宿 縁(えん)』は、城崎温泉で異色の存在感を放つ但馬牛専門のオーベルジュ(宿泊施設を備えたレストラン)なのです。

『縁』に泊まって、外湯(そとゆ)めぐりをして、但馬牛を味わって、さらに縁から出発する『裏キノサキ爽快サイクリング』ツアーでひと汗流して……。のんびりとくつろいでいる間に不思議と城崎の隅々まで満喫できてしまう粒選りのプランを紹介します。

〈オススメその1〉但馬玄がおいしすぎる

『小宿 縁』は、老舗旅館の4代目若旦那・田岡聖司さんが新たに始めた「但馬牛ありき」のお宿です。

2階に併設されたレストラン『但馬牛いろりダイニング三國』で提供するのは、美方郡香美(かみ)町の上田畜産で育った『但馬玄(たじまぐろ)』。一般の黒毛和牛よりぐっと低温の約12度で脂が溶け出し、マグロを思わせるほどあっさりとしていながら、際立った風味を持つ究極の但馬牛です。

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『但馬玄ステーキコース』では、但馬玄と兵庫県のおいしいお米や野菜を堪能できます。

たとえば、この日の前菜は但馬玄のすじ煮込みともも肉のローストビーフ、そしてミニハンバーグ。ハンバーグにはりんごときのこのソース、ビーツのソース、そして神鍋高原の麓で栽培される高級『北村わさび』を添えていただきます。

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但馬玄を一頭買いしているから様々な部位を味わうことができると教えてくれたのは、シェフの中村公治さんです。コンソメスープや赤だしでも但馬玄のすっきりした旨味を余すところなく楽しめます。

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お待ちかねのメインは、赤身とロースステーキの食べ比べ(土・祝前日)です。

赤身は、マルシンのほかイチボ、ザブトン、内もも、ランプ、ミスジ、シンタマなどの部位からおまかせで提供されます。もし特別運がよければ、サシの入り具合を示すB.M.S.(ビーフ・マーブリング・スタンダード)で最高等級12と評価された但馬玄が入荷していることもあります。B.M.S.12と評価されるのはおよそ3万頭に1頭と、とてつもなく希少な存在です。

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お肉は口の中で柔らかくほぐれ、素晴らしい余韻を残して消えていきます。重めの赤ワインとも、ツヤツヤ光る但馬産こしひかりとの相性も抜群で、いくらでも食べられてしまいます。危ない、危ない。

但馬玄のおいしさの秘密はそば殻、ごま、あわ、遺伝子組み換えでないとうもろこしなどを独自配合した無農薬飼料と、極力ストレスをかけない飼育方法にあります。仔牛を身ごもった母牛は、夏の間、近くのスキー場のゲレンデで放牧されるのだそう! 一般的な但馬牛より約半年長く飼育できるのは、人が食べても安全な餌を食べて病気になりにくい体だからこそなのです。

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『小宿 縁』の若旦那・田岡さんは、上田伸也さんの育てる但馬玄に魅せられ、城崎から南西に約50kmの牧場に何度も足を運んだといいます。そして、「上田さんの牛肉をおいしく味わえる店を城崎に」と2013年にオープンしたのが縁でした。

日本全国の黒毛和牛の母牛のDNAを調べると、その99.9%が但馬牛のたった一頭の種牛にたどり着きます。黒毛和牛始まりの地で最高峰の牛肉を味わい、そのままそこに泊まれるなんて、最高以外の何物でもありません。

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ちなみに、『小宿 縁』の朝食は温泉宿では珍しい洋食。1階のおしゃれな『CAFE&BAR 3rd』で、コウノトリ米を使った米粉のパンや豊岡の新鮮野菜のサラダがいただけますよ。

〈オススメその2〉城崎のナイトライフが楽しすぎる

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城崎温泉は昔ながらのナイトライフが充実した温泉街です。

フロントで好みの色浴衣を選んだら、早速着替えて7つの外湯めぐりにでかけましょう。外湯は旅館の外にある共同浴場のこと。

外湯の入浴には、こちらもチェックイン時に渡される1日入浴券『ゆめぱ』を利用します。チェックインから翌日の午後3時半まで無料で外湯に入り放題です。

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柳の揺れる大谿(おおたに)川沿いのそぞろ歩きには、やっぱり浴衣が似合います。
カランコロンと下駄を鳴らしてお目当ての外湯に向かっていると、気分が高まってきます。

それぞれ趣やご利益(テーマ)が異なる外湯のなかでも、2020年に庭園露天風呂としてリニューアルした『御所の湯』は特に人気です。

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土産物店を覗き、ソフトクリームや城崎の地ビールでほてりを冷やしながら夜の温泉街を西に進むと、ひときわ賑わっていたのは『遊技場』です。スマートボールや射的に大人も子どもも大熱狂!
まるで祭りの夜店のような雰囲気が楽しくて、閉店ギリギリまで粘りたくなるのは大人の方かもしれません。

〈オススメ番外編〉城崎周辺の圧倒的な絶景

今回のプランには含まれていませんが、城崎温泉滞在中にできればチェックしておきたい絶景ポイントがあるので紹介しましょう。

まずは、早起きが得意な人向け。10月中旬から11月下旬にかけての早朝、車で約30分の来日岳(くるひだけ)の山頂に行ってみてください。

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秋の晴れた日、特にぐっと冷え込む朝には、昇り来る太陽とともに円山川上空に広がる雲海を見られる可能性があります。冷たい空気がぴんと張り詰めるなか眼下を白い雲がたなびくのは、思わず息を飲むほどの神秘的な体験です。

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円山川の東岸には『玄武洞』があり、こちらも迫力ある景観を見に訪れる価値があります。今から160万年前、火山活動によって流れ出たマグマが冷え固まるときに、規則正しい柱状の割れ目ができたものです。

ダイナミックな大地の営みに、江戸時代からの採石によって人工の洞という要素が加わり、唯一無二のなんとも不思議な姿が生まれました。玄武洞の玄武岩は大谿川の護岸にも使われているので、城崎温泉との深いつながりが感じられるスポットでもあります。

〈オススメその3〉日本海までらくらく疾走

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さて、旅プランに戻りましょう。

『小宿 縁』は但馬牛だけではなく、自転車に関しても妥協がありません。1階のオープンスペースには、ロードバイク用自転車ラックを備えてサイクリストを迎えるほか、各種クロスバイクをレンタサイクル用に準備しています。

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また、『城崎サイクリング』が主催する『裏キノサキ爽快サイクリング』ツアーの集合場所は『小宿 縁』。

風や音、匂いを敏感に感じ取り、景色を存分に楽しみたいなら、電動アシスト付きのe-bikeがおすすめです。到着日の午後か出発日の午前中のどちらかを選んで、温泉街を歩くだけでは見つからない城崎のいいところを地元ガイドにこっそり教えてもらいましょう。

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たとえば、ここは極楽寺の裏手で、城崎温泉の開祖が湧き水を掘り当てたところです。
ガイドのなっちゃんによると、道智上人が仏具のひとつである独鈷(どっこ)で岩肌を突いたところ清水が湧き出たのだそう。

ツアーではこの伝説にちなんだ銘菓『独鈷水』を老舗和菓子店『みなとや』でいただきます。これがまた、ホッとする味で本当においしいんです。

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行き交う車に気をつけながら開放感あふれる円山川沿いを20分ほど北上し、坂を上ると目の前に現れたのは海! 日本海に面した日和山(ひよりやま)海岸に到着です。
荒々しい岩壁と青い海の対比が美しく、竜宮城伝説のある無人島や遠く丹後半島まで見渡すことができます。

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道中に立ち寄った蒲鉾店『二方蒲鉾』で買った名物『城崎ちくわパン』を絶好のロケーションでいただきます。
未知のおかずパンに恐る恐るかぶりつくと、シャキシャキ玉ねぎとツナサラダ、ねっちりちくわに甘めのパン生地が絶妙なコンビネーションです。

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帰路は、冬場にカニの水揚げで活気づく津居山港を通って、円山川を南下します。
中洲に緑鮮やかな田園風景が広がり、温泉街から目と鼻の先にもかかわらず、まるで別世界ののどかさです。

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実はこのツアーを監修したのはの『小宿 縁』の若旦那・田岡さん。
田岡さんは高校1年生のときに東京から長崎まで自転車で旅をしたこともあるつわものです。

帰郷後あらためて自転車の魅力にはまり、今でも毎朝のようにこうして颯爽とロードバイクを漕いでいるとあって、監修する『裏キノサキ爽快サイクリング』ツアーも初心者向けながらかなり充実しています。

〈オススメその4〉コウノトリに惚れる

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特にコース内で驚いたのは、コウノトリを間近で観察できたことです。

コウノトリは一度日本で絶滅した生き物です。しかし、ハバロフスクから譲り受けた野生の幼鳥の繁殖に成功すると、最後の生息地であった豊岡では、コウノトリの野生復帰を目指して、地域をあげた取り組みが継続されてきました。その甲斐あって、2020年には野外個体の数が200羽を上回ったのだそう。

コウノトリは上昇気流に乗って空高く舞い上がると、翼を広げたまま、約2メートルの大きな体で悠々と滑空します。その姿は惚れ惚れするほど美しいのです。

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e-bikeで城崎大橋を渡ると、円山川下流域には3.8ヘクタールもの『豊岡市立ハチゴロウの戸島(としま)湿地』が広がっています。

海、川、山、潟、水田に隣接する湿地にはたくさんの生き物が集まり、ここはラムサール条約(特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約)にも登録されています。

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生き物の邪魔をすることなく、細い窓から観察できる野鳥観察棟は何よりおすすめ! 窓の外を眺めているだけで、気持ちよくうたた寝したくなってしまう楽園のような場所なんです。

草の中からカタカタカタカタと不思議な音が聞こえてきたら、それはきっと、コウノトリが威嚇や求愛のために上下のくちばしを打ち鳴らす音。なにせ、大人のコウノトリは声が出ない。
だからこのクラッタリングという行為は大切なコミュニケーション方法なのだと、ガイドのなっちゃんに教わりました。

〈オススメその5〉またすぐに訪れたくなる

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『裏キノサキ』ののんびりした空気を心ゆくまで味わったら、やはりこの旅は、外湯に浸かって締めくくるのが王道でしょう。

食もアクティビティもエンターテインメントもリラクゼーションもそろったこの街に次はいつ来られるかな………。

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『小宿 縁』は城崎温泉では数少ない、一人旅にも快適な宿です。

思い立ったときに1人で泊まりに来るのもいいですね。カニの漁期でもそうでなくても、但馬玄はいつでもあなたを待っています。

※感染症対策に配慮した上で撮影を実施しています。

関連地域

兵庫県

瀬戸内海と日本海の2つの海に面し、中央には中国山地が延びる兵庫県。古くから貿易の拠点として発展してきた商業地と豊かな自然が残る兵庫県は、観光地としての見所も数多く存在します。異国文化漂う神戸の町並み、白く輝くように美しい姫路城、せとうちの海で大きく育った明石のタコや、四季の花々を楽しむことができる淡路島。買い物、温泉、歴史や文化、そして自然。どれをとっても一級品の旅が楽しめる場所です。