海・自然
しまなみ海道・大三島の最高峰を目指して絶景ハイキング!/鷲ヶ頭山自然研究路(愛媛県今治市)
大三島の最高峰・鷲ヶ頭山で絶景トレッキング!
この写真は、大崎上島の『神峰山』(かんのみねやま)から望む『大三島』(おおみしま)の全景。
大三島は『しまなみ海道』が通る島の一つで、愛媛県では最大、瀬戸内海でも4番目に大きな島です。
この大三島の中央部にそびえ立つ『鷲ヶ頭山』(わしがとうざん)は、標高436mで大三島の最高峰。
瀬戸内海の絶景を満喫しながらハイキングが楽しめる山として人気が高く、日本離島センターの『しま山100選』にも選定されています。
鷲ヶ頭山の登山ルートは、全長約2kmの『鷲ヶ頭山自然研究路』として整備されていて、登山口から山頂まで約1時間30分ほど。
登山口は『大山祇神社』(おおやまづみじんじゃ)の裏手にあり、途中に安神山(あんじんさん)を経由して、尾根伝いに縦走するコースです。
上の写真は安神山の山頂付近のパノラマで、標高は約267m。登山口から0.8kmほど進んだ地点です。
西側には瀬戸内海越しに大崎上島と神峰山が望め、東側に鷲ヶ頭山がそびえ立ちます。
ここから鷲ヶ頭山に向かって、息を呑む絶景ルートが始まります!
鷲ヶ頭山を目指して尾根沿いを歩く絶景コース!
安神山から鷲ヶ頭山まで、尾根沿いの比較的なだらかなコースを歩くのですが、『えぼし岩』の手前はやや急勾配!
足場を選びながら慎重に登っていくと……
『えぼし岩』に到着! スゴい絶景!!
先ほど通った安神山の背後に瀬戸内海と大崎上島が横たわり、その奥には本州の山並みも続いています!
一方で『えぼし岩』の東側を見ると、鷲ヶ頭山の山頂までかなりの距離がありそう……
でも、それだけ見所も多そうなルートです。気を取り直して、登山を再開!
『えぼし岩』から尾根伝いの道をしばらく進むと、再び奇岩ひしめくピークに到着!
巨大な岩壁が立ちふさがるように並び、まるで砦(とりで)の門のようです。
続いて、岩肌がむき出しとなったガレ場へ。
小石や砂利が多く滑りやすい場所ですが、斜面にネットが張られているので、その上を歩けば安心です。
ガレ場を抜けると、巨岩がむき出しとなった天然の展望台が。
お弁当を広げるのに良さそうな場所ですが、下を見ると足がすくみそうになるので注意!
尾根沿いの道はアップダウンがあり、ピークを過ぎると長い下り坂も……
再び登り道となり、この尾根沿いにある最後のピークに近づきます。
右側の岩壁の上を登っていくのですが、ロッククライミングは避けたいので……
いったん通り過ぎて、後ろ側から回り込むと、わりと楽に(?)登っていけますよ。
鷲ヶ頭山の山頂はまだ遠く、無理してピークの上に立つ必要もないのですが……
この絶景は無視できないでしょう!
これまで歩いてきた、安神山から続く尾根沿いのルートも一望できますよ。
いよいよ鷲ヶ頭山の山頂へ。夕陽も最高!
実は鷲ヶ頭山の登山ルートは、最後の急階段が最大の難関……
しかし一気に高度が上がるので、振り向いた時の景色は最高ですよ。頂上まで、もうひと息!
電波塔の脇を通り抜けて、ついに標高436mの鷲ヶ頭山山頂に到着!
山頂からは360度の視界が開け、休憩用のベンチがいくつか設置されています。
東側には、しまなみ海道・生口島や高根島、離島の岩城島、生名島・弓削島など『ゆめしま海道』の島々、さらにその奥には本州の陸地が横たわります。
また南方にも、しまなみ海道・来島海峡大橋や今治市街が遠望でき、背後には四国山地の山並みも!
そして、何より絶景なのは西側の景色!
正面に大崎上島の全景が望め、左側には『安芸灘とびしま海道』の島々、最奥には野呂山など中国山地も見渡せます。
鷲ヶ頭山では瀬戸内の多島美だけでなく、中国・四国山地のパノラマも満喫できるのです!
また、鷲ヶ頭山は年間を通して夕陽を見られる素晴らしいロケーション。
今回は11月中旬で、『安芸灘とびしま海道』の大崎下島付近に太陽が沈んでいきましたが、春~夏には夕陽がもっと右に移動し、夏至の頃には大崎上島の右側(北側)が日没地点となります。
晴れ渡った日の夕景は、日没後の夕照も見逃せません!
しばらくその場にたたずんでいると、空が明るく輝き、瀬戸内海もオレンジ色に染まりました……
言葉では表現できない、感動的な色彩ですね~!
いかがでしたか?
「日没後に真っ暗闇になったら、無事に下山できるの?」
「山麓から頂上まで、登りきる体力が自分にあるかな?」
と不安になった方はいらっしゃいますか?(笑)
実は、鷲ヶ頭山には山頂近くまで林道も通じていて、車で登っていくことも可能。
林道の途中には、今回ご紹介した縦走コースへの入口もありますので、ある程度の標高まで車で登って、途中から安神山に向かって絶景コースを歩いて下ることもできるんです。
だいぶハードルが下がりましたか?
ぜひ、鷲ヶ頭山で瀬戸内の絶景を満喫してくださいね!
(※冬季は林道が閉鎖されている場合もあります)
瀬戸内Finderフォトライター 松岡広宣
関連地域
愛媛県
愛媛県といえば、みかん。全国的に知名度も高く、近年では穏やかな気候を活かして多くの柑橘類を生産している。また日本最古の温泉「道後温泉」や、城下町として栄えた松山では、ゆったりとした時間を味わえます。愛媛と広島を結ぶ「しまなみ海道」からは、多島美景観だけでなく、大迫力の造船所を眺めることもできます。村上水軍ゆかりの地や、せとうちの海産物を楽しむ島巡りもおすすめ。