グルメ・おみやげ

姫路の立ち食いそばは蕎麦じゃない?70年愛される最強の“ミスマッチ”/えきそば(兵庫県姫路市)

姫路の立ち食いそばは蕎麦じゃない?70年愛される最強の“ミスマッチ”/えきそば(兵庫県姫路市)

駅のホームで、待ち時間にさくっとお腹を満たせる立ち食いそばはみんなの味方。特に、「安い」「おいしい」「速い」の三拍子がそろう名店は見逃せません。

f28297_001

JR姫路駅に複数店舗を構える『えきそば』は間違いなくそんな名店に数えられます。
でも、この立ち食いそば屋に何も知らずに入った人は提供される“そば”にびっくりしてしまうかもしれません。

なぜなら、そば粉を使った一般的な黒っぽいそば(和蕎麦)は出てこないから。

姫路のえきそばは「駅」の「蕎麦」ではない

f28297_002

メニューをよく見ると、店舗名と同じく提供される商品の名前の大半にも『えきそば』と付いています。

f28297_003

このえきそばは、誰もがほっとする和風だしに、かんすい入りの中華麺を合わせたもので、和蕎麦ではないし、かといってラーメンでもありません。
初めてえきそばを前にした人は、既成概念を覆されて混乱する可能性があります。
「あれ、誰か何か間違えたんじゃない?」と。

f28297_004

しかし、何かの間違いではなく、むしろこのえきそばを注文するのが大正解。姫路駅で1949年から販売されているロングセラーの名物グルメなんです。
とにかく、ひとすすりしてみてください。
これまでの人生で、なぜ『和風だし+中華麺』の絶妙な組み合わせに出会わなかったのか。もっと早く食べときゃよかったよ!
と思えてくるはず。

f28297_005

姫路市内のサラリーマンや学生にとって、えきそばは定番の味です。
世界遺産の 姫路城ではなく一杯のえきそばを求めて、はるばる姫路駅にやって来る人も後を経ちません。

やっぱり定番は“天ぷら”と“きつね”

f28297_006

彼らがこぞって注文する定番商品が『天ぷらえきそば』と『きつねえきそば』。
この2つの商品には、嬉しいことに平日の14:00から17:00までタイムサービスの割引料金が適用されます。
16時57分。階段を駆け上がって、滑り込みでタイムサービスの食券ボタンを押せたときの嬉しさったらありません。

f28297_007

たんぱく質をしっかり取りたいときは『とり天えきそば』がおすすめです。
ボリュームのあるとり天と、ピリッとした辛味が癖になる高菜漬がトッピングされています。

f28297_008

えきそばには在来線(山陽本線)上り売店と在来線下り売店で、そこでしか食べられないオリジナルメニューもあるんですよ。
姫路城を訪れる人は、お城訪問の前後にそれぞれのホームでえきそばを食べる“えきそば尽くし”もいいですね。

えきそば誕生の地である上り売店は、70周年記念事業として、キハ58系気動車を模したキュートな電車の姿に生まれ変わりました。
車内に持ち込んでえきそばをすすっていた時代がしのばれ、風情があります。

姫路名物えきそばが家でも食べられる!

f28297_009

えきそばにハマってしまった人は、生麺の『持ち帰りえきそば』を自宅用に、乾麺タイプの『土産天ぷらえきそば』をおみやげにしてはどうでしょう(オンラインショップでの購入は こちら)。

f28297_010

姫路のおみやげ話は、えきそば抜きには語れませんもの。

瀬戸内Finderフォトライター 堀まどか

関連地域

兵庫県

瀬戸内海と日本海の2つの海に面し、中央には中国山地が延びる兵庫県。古くから貿易の拠点として発展してきた商業地と豊かな自然が残る兵庫県は、観光地としての見所も数多く存在します。異国文化漂う神戸の町並み、白く輝くように美しい姫路城、せとうちの海で大きく育った明石のタコや、四季の花々を楽しむことができる淡路島。買い物、温泉、歴史や文化、そして自然。どれをとっても一級品の旅が楽しめる場所です。

兵庫県