グルメ・おみやげ
廃校にチョウザメ!チョウザメ!チョウザメ!香川初・キャビアの生産現場/東かがわ・つばさキャビアセンター(香川県東かがわ市)
東かがわ・つばさキャビアセンター
やってきたのはこちら、『東かがわ・つばさキャビアセンター』。
この『つばさ』は、背後に見える『翼山(つばさやま)』から来ているそう。
ん? なんだかこの建物、小さい頃よく見たあの建物に似ているような……??
疑問をほんのり抱いたまま、いざ突撃ー! おじゃまします!
笑顔が優しいスタッフの進藤さんに連れられてやって来たのは、あの疑惑の建物。
いきなりですが、キャビアはフォアグラ・トリュフに並ぶ世界三大珍味。チョウザメという魚から採取されるのをご存じでしたか?
そう! この扉の向こうに、そのチョウザメたちがいるんです……ゴクリ。
♪デンデンデンデンデンデンデンデン……テレレ~(某映画のBGM)
体育館をフル活用!チョウザメ飼育現場
中に入ると、ここは……そう、体育館じゃないですか!
2013年、旧・東かがわ市立引田中学校をそのまま再利用して始まったのが、この『東かがわ・つばさキャビアセンター』。
聞くと、この学校の卒業生である板坂社長が「廃校になった母校を活用して故郷のために何かできないか?」と思い立ったのがきっかけだった、というなんとも素敵なお話!
この建物の佇まいとサイズ感に見覚えがあるような気がしたのはそのせいだったんですね。
チョウザメの餌やり体験!
希望者は餌やり体験も可能。生まれて半年ほどの稚魚たちにパラパラ~
チョウザメに餌をやるなんて、なかなかできない体験!
ズンズン中まで案内してもらいます。
ここつばさキャビアセンターは、地下100mから汲み上げた新鮮な地下水をかけ流しでチョウザメを管理。
施設内はそのための設備がたくさんあるので、足元には十分気をつけて歩きましょう。
今回特別に稚魚を触らせてもらい、この表情!
触感はブニブニぬるぬる、部分的にゴツゴツ。う〜ん、初めての触り心地。
この『ぬるぬる』は粘液で、体を守るための機能を果たしているそうですよ。
チョウザメはサメじゃない?!
みなさま、驚くことなかれ。実はチョウザメ、サメではありません(!!!!)。
チョウザメは古代魚の一種で、背中の硬い鱗が蝶の形をしていることと、サメに似た特徴を持つことから『チョウザメ』という名前がついたのだそう。
てっきりサメなのかと思い込んでいたのですが、「噛まれることはないですね。歯がないんですよ」と進藤さん。
こちらのつばさキャビアセンターでは、約30種類ほどいるチョウザメの中から、卵が最も美味しいと言われるオオチョウザメ(ベルーガ)とコチョウザメのハイブリッドを扱っているそう。
「チョウザメは、この施設内で約3,500匹、徳島他で約8,500匹ほど養殖しています。卵が採れるのが7年目からなので、ある程度大きくなるまでは他の場所で育てているんです。産卵時期は11月〜3月。旧校舎の家庭科室だった場所を改装し、現在キャビアを加工しています」と説明してくれた進藤さん。
なるほど、本当に校舎をフル活用してキャビアが生産されているんですね……ってあれ? なんだか進藤さんの服がだんだんキャビアに見えてきました。
「あ、そうなんです。実はこれ、社長がキャビアをイメージしてデザインしたものなんです」
ギョ! まさか本当にキャビア柄だったとは!!
黒地に小ぶりなドット柄のユニフォームに、社長さんのセンスを感じざるを得ません。
施設内には、深さが3mほどある水槽も。
実は約100〜150年ほど生きるとされているチョウザメ。ここにいるチョウザメたちはこれからどれほど大きくなるんでしょうか?
香川発!生キャビア
つばさキャビアセンターで生産された生キャビアは、ここ東かがわだけでなく インターネット購入も可能。
特徴は、孵化、養殖から加工まで全て国内で行っていることと、無添加・非加熱で作られていること。
一粒一粒ピンセットで目視して選り抜かれ、まろやかでクリーミー、フワッと広がる甘みやとろけるような舌触りが自慢なのだそう。
自慢のキャビアは、東京・銀座の直営キャビアバー『17℃ ディ・セットゥ・ドゥグレ』でも楽しむことができますよ。
一流シェフに料理され、贅沢な空間でいただくキャビアは、きっと何物にも代えがたいはず。
現在、ふるさと納税の商品としても国内トップクラスの販売実績を持っているほか、国内の有名レストランのみならず、ヨーロッパ・アメリカ・シンガポールなど海外にも展開をしている香川県東かがわ市引田発の生キャビア。
さあ、あなたも瀬戸内・香川から生まれた『幻の黒い宝石』とその生産現場に出会ってみませんか?
瀬戸内Finderフォトライター 山田 芽実
関連地域
香川県
瀬戸大橋を介して本州と四国を繋ぐ四国の玄関口、香川県。県民のソウルフードとして親しまれている「讃岐うどん」は、県外からも多くの観光客を集めています。歴史的な観光資源と個性豊かな島々に恵まれてているのも特徴。ミシュラン・グリーンガイド・ジャポンで三ツ星を獲得した「栗林公園」、長い石段で有名な「金刀比羅宮」に加え、どこか地中海を思わせる美しい小豆島の他、せとうちの風景と現代アートを融合させた取り組みも人気を博しています。