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国生み神話にまつわるパワースポット!淡路島にある『日本最古の神社』に参拝しよう!/伊弉諾神宮(兵庫県淡路市)

国生み神話にまつわるパワースポット!淡路島にある『日本最古の神社』に参拝しよう!/伊弉諾神宮(兵庫県淡路市)

日本最古の神社『伊弉諾神宮』

伊弉諾神宮(いざなぎじんぐう)は淡路島の中央部にある神社で、国生み神話に登場する天地創造の神、イザナギ・イザナミの二神を祭神とする聖地です。

古事記・日本書紀には、国生み・神生みの大業を終えたイザナギ大神が、淡路島多賀の地に『幽宮』(かくりのみや)を構えて余生を過ごされたとあります。
その住居跡地に御神陵が造営された際、日本最初の神社として創始されたのが伊弉諾神宮なのです。

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伊弉諾神宮に参拝する際は、二本の鳥居が立つ表参道から聖域に入ります。

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参道の途中には『さざれ石の碑』が設置され、淡路島産と熊本県産の2つの『さざれ石』があります。
さざれ石とは、もともとは小さな石だったものが長い年月をかけて、雨水で溶けた石灰などが小石と小石の隙間に埋まっていくことで、最終的に一つの大きな岩の塊に変化したものを指します。

気の遠くなるような太古の昔から、国生みの聖地として信仰され続けてきた伊弉諾神宮。
そのことに思いをはせながら、参道の奥へと歩いていきます。

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表参道を抜けると、左手に『陽の道しるべ』という日時計のようなモニュメントがあります。
実は、伊弉諾神宮がある場所では不思議な現象がみられます。

伊弉諾神宮を中心とすると、春分・秋分の日には伊勢神宮の方角から日が昇り、対馬の海神(わたつみ)神社の方角へ日が沈むのですが、夏至には諏訪大社から出雲大社へ、冬至には熊野那智大社から高千穂神社に、という位置関係にあります。

伊弉諾神宮を中心とした太陽の運行ルート上にこれだけ社格の高い神社が並んでいるのは、「単なる偶然」というにはあまりにも出来すぎで、「古代人が高度な測量技術を持っていたのだろうか?」と謎が謎を呼んでいるのです。

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『陽の道しるべ』のすぐ脇には『放生の神池』(ほうじょうのしんち)があります。この池はかつて御神陵の周囲に巡らされていた濠の名残の池といわれ、古くはここで放生神事(鳥や魚を放して生命の永続を祈る行事)が行われていたそうです。

現代でも病気の回復を祈って鯉を放ち、治癒の感謝に亀を放つ信仰習慣があるそうで、池の中央に亀の石像が設置されているのも興味深いですね。

神域に建つ伊弉諾神宮の本殿と夫婦の大楠

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放生の神池の北側には『表神門(正門)』があり、この先はまさに神域となります。

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『表神門』をくぐると『拝殿』があり、そのすぐ奥に『本殿』が鎮座します。
伊弉諾神宮の現在の本殿は、明治時代の大改築の際に、かつてのイザナギ大神の御神陵があった場所へ移築されたものです。
つまり、もっとも神聖な場所に建てられているのです。

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本殿は中門および幣殿と連結していて、床下には御神陵に築かれていた数十個の聖なる石が格納されています。

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本殿の右側には樹齢900年を越すといわれる『夫婦の大楠(めおとのおおくす)』があり、兵庫県の天然記念物に指定されています。
元は二株だったものが、結合して一株に成長したという珍樹で、天地創造の神であるイザナギ(男神)・イザナミ(女神)の二神が宿る御神木として信仰されており、安産・子宝子授けや夫婦円満の御利益があるとされます。

天地創造の神、イザナギ・イザナミの二神をお祀りし『日本最古の神社』といわれる伊弉諾神宮。
太古の昔から聖域とされてきた地に一歩足を踏み入れると、普段と異なる時間と空間の中にいるような、不思議な感覚になります。
あなたも悠久の時の流れを感じられる淡路島随一のパワースポットを訪れてみませんか?

瀬戸内Finderフォトライター 松岡広宣

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兵庫県

瀬戸内海と日本海の2つの海に面し、中央には中国山地が延びる兵庫県。古くから貿易の拠点として発展してきた商業地と豊かな自然が残る兵庫県は、観光地としての見所も数多く存在します。異国文化漂う神戸の町並み、白く輝くように美しい姫路城、せとうちの海で大きく育った明石のタコや、四季の花々を楽しむことができる淡路島。買い物、温泉、歴史や文化、そして自然。どれをとっても一級品の旅が楽しめる場所です。