歴史
江戸時代にタイムスリップ!?『うだつが上がる』町並み散策!/吉田家住宅 藍商佐直(徳島県美馬市)
写真左手に見える『吉田家住宅 藍商佐直(あいしょうさなお)』は、藍染の原料である蒅(すくも)を扱う豪商として繁栄した『吉田直兵衛』の屋敷で、町並みの中で最大の床面積を誇ります。1792年の創業で屋号を『佐直(さなお)』と称し、脇町でも一、二を競った豪商です。
建物の中に入ると、にっこり笑顔の番頭さんがお出迎え!
ここは帳場(ちょうば)で、帳簿をつけたり勘定などをする場所。江戸時代の商いの雰囲気を体感できます。
屋敷の内部は一般公開されていますが、ここから先は入場料が必要です。(大人1名510円)
建物内に入ってまず驚くのは、その奥行きの広さ!約600坪の敷地には江戸時代中期から後期にかけて建てられた主屋、質蔵、藍蔵など5棟が中庭を囲むように建っています。
こちらは主屋の1階にある『主座敷』。
過去にこの部屋で将棋の王位戦が行われたことがあり、その対局の様子が再現されています。
こちらは『板の間』。
主屋は2階建てで全部で部屋が25室もあり、2階に上がるための階段も複数あります。
こちらは2階の様子。広い間取りで、モダンな雰囲気。右奥に見える『虫籠窓(むしこまど)』からはメイン通りである『南町通り』が見下ろせます。
2階には当時の町並みを再現したジオラマや資料展示室もあります。
こちらは2階の『西の間』。
奥の窓際には机が置かれ、江戸時代の書斎の様子が再現されています。
こちらは『西の間』の外側にある渡り廊下から見下ろす景色。遠くには吉野川の河川敷とその南方に連なる山々も見えています。
敷地内には主屋だけでなく、左側に見えているような大きな蔵も複数あります。
こちらは『質蔵』の中の様子。この蔵は二棟が並んで建っていて、奥にある『中蔵』と連結されています。
現在、これらの蔵の中には江戸時代の様々な歴史・民俗資料が展示されています。
奥にある『中蔵』には美馬市出身の画家、藤島博文(ふじしまはくぶん)の『四神星宿之図』も展示されています。
天井には星空を描いた円形のキャンバスが設置され、部屋の4面に玄武・青龍・朱雀・白虎の絵画が掛けられてます。(この写真には玄武と青龍が見えています)
さらに、敷地の南側には古い蔵を改装した『藍蔵(あいぐら)』があり、かつて藍を保管していた蔵が今では雰囲気のあるカフェ空間に!
ちなみに『藍蔵』の1階は特産品などのお土産コーナーで、2階がカフェになっています。
このカフェでは徳島県ならではの味が堪能できます。
昔ながらの美味しそうなタコ焼きの両脇に並ぶのは、徳島名産のフルーツを使った『スダチジュース』と『ユズジュース』。
左右のジュースの色が微妙に違うのが分かるでしょうか?(笑) もちろん飲み比べると味も違います!
『藍蔵』は町並み散策のちょっとした休憩スポットとしてオススメです!
こちらはライトアップされた『吉田家住宅』。夕暮れになるとあんどん風の街灯が『うだつの町並み』を照らします。
『吉田家住宅』の営業時間は9:00~17:00ですので、夜間は中を見学できませんが、ほのかな明かりでライトアップされた静かな町並みを眺めるのも良いものです。
『吉田家住宅』は、江戸時代の大富豪の佇まいを今に伝える、貴重な文化財。
当時の豪商が建てた屋敷の規模と豪華さをぜひ現地で体感してみてください!
瀬戸内Finderフォトライター 松岡広宣
関連地域
徳島県
四国八十八ヶ所のスタート地点となる徳島県。東西を山に囲まれ、扇状に広がる徳島平野、その先に広がる瀬戸内海。海の幸、山の幸に恵まれ、新鮮な食材を楽しむことができます。また目を楽しませてくれるのは本場の「阿波踊り」。見て楽しむだけでなく、観光客も参加して楽しむことができるのも魅力の一つです。瀬戸内海が魅せる鳴門の渦潮や、秘境祖谷のかずら橋、大歩危峡の川下りなど、徳島の自然も満喫してください。
